内航海運

船で国内の港から港へ荷物を運ぶことを内航海運といいます。

島国の日本では、現在約5300隻の内航船が国内の貨物輸送の約4割を担っており、 その内の8割が産業基礎資材(石油製品、鉄鋼、セメントなど)で、日本の産業を支えているとまでいわれています。

また、近年、世界的な規模で省エネルギーが大きな課題となっており、国内貨物輸送の分野でもエネルギー効率のよい輸送が求められています。

内航海運は、1㌧の貨物を1km運ぶのに必要とするエネルギー消費量が営業用貨物車の約1/5、また、CO2排出原単位でも約1/5と、エネルギー効率がよく、環境にも優しい輸送モードです。

国内の貨物輸送の分野では、トラックへの過度の依存から生じた道路混雑や騒音公害への対応と、二酸化炭素排出の削減をめざす地球温暖化対策等の環境問題への取り組みが強く求められています。

内航海運は、このように地球環境の保全に大きく貢献しており、エネルギー効率がよく 『地球にやさしい内航海運』への期待がますます高まっています。

現在、内航海運国民保護法に基づいて指定された特定事業者に対する有事における内航輸送の従事命令の受け皿となっています。

すなわち、有事の際に住民の避難や避難 住民等の救助・攻撃による災害への対処等にあたるため、内航海運事業者が指定されています。

内航海運は、防衛や災害といった有事の際 の安全保障を担っています。